病室　　勉造が来訪

指紋の鑑定結果がわかるのは夕刻。…で、そろそろ勉造がやってくるだろうと病室で待機。聞き覚えのある例の靴音と共に川崎勉造が来訪。やっぱり律儀な人だよねぇ。いくら知り合いだからって、警察の鑑識に指紋を調べてもらうなんて、そう簡単なもんでもなさそうなのに時間厳守。

結果は…バージン・スリムの箱についている指紋と梨恵の指紋は一致しない…ということ。ってことは梨恵が嘘を言った訳で、多分誰かを庇っているんだろうけど、それでは誰を庇っているのか、という新たな問題が。

　

メスの鑑定を依頼した

メスの鑑定を依頼した場合は、栄作の落としたというメスについている指紋が、梨恵一人の指紋である事が判明。……またしても閃くものが。プレイヤーとしても考え付く事はやはりコレでしょう。院長が殺されるとすれば、疑われる動機のある梨恵の素性を亜希子達は知っていて、非番のはずの梨恵を屋上に呼び出した時間に彼女の指紋の付いたメスで院長を殺そうとした…。が、殺すはずの院長が既に死亡していたので、慌てた栄作がメスを落とした…。

しかしやはり問題になるのは、呼び出されて屋上に行ったのが指紋からすれば梨恵ではないという事に。

　

メスを入手していない

メスを入手していない場合は、ここでの仮説は指紋が誰のものか？…という事にとどまります。

　

廊下 / 病室で涼子と話す

病室に涼子が「話があるんだけど…」と訪ねて来ます。

・涼子の話を聞いてやってもいい
・涼子の話など聞きたくもないので、無視してやる

いくらなんでも無視するのは可哀想でしょー、などと一応個人的には苦悩しつつも、どっちも選択してみたり。無視しちゃうと、譲治くんが「可哀想じゃないか、あんたはもっと優しいと思ってた」とか涼子に助け舟を出して琢磨呂に反論する場面も。まぁ、どっちを選んでも涼子から話を聞くことになるけど。

彼女の話は「院長夫人に余計な事は言わない方がいい」との忠告。涼子がこの一件から下ろされたのは、ボンボンが捜査の手抜きを企んで、琢磨呂の得た情報を院長夫人から聞き出すよう涼子に命令したのを拒否したからのようです。「あなたとは…正々堂々と戦いたかったの」と、探偵としての誇りを重視。「私と勝負するなど、１０年早い」と言われて、「そ…そんな事は…わかっているけど」って素直に認めたりして、やっぱりかわいらしい。

彼女は例えクビになっても真実が知りたい、主任では真実を見つけ出すのは無理だから…と琢磨呂に協力したいと考えているようです。で、彼女が教えてくれるのは梨恵について。梨恵がこの病院に遺恨があるのはこちらも知っているけど、それを涼子が知っているのは亜希子が看護婦の素性を西条探偵事務所に調べさせたから…だそうです。もちろん「院長が死ぬ以前の話で、なおかつ半年以内の話」ということになります。

しかも梨恵には親戚の養女になっている智恵という双子の妹がいるとの事。ここに至ってやっと、様子がいつもと違う上履き姿の梨恵や、鍵を持ち出した人物、バージン・スリムの指紋の謎が氷解。

　

御子柴に会う

何故か御子柴さんとナースセンターで遭遇。まぁ…理由はチャート１４の時と同じだが。美保は「花を貰っただけだから変な誤解はするなよ」と、赤くなって言うけど…やっぱりニブい琢磨呂は、何故誤解をせねばならないのか理解できないよーです。涼子もだけど、初めは可愛げなくて、段々可愛くなってくるキャラってのは微笑ましくていいよねぇ。桃子みたいな淡い恋心路線とか、亜希子みたいな屈折したのも趣があっていいけど。

美保や千里は進め方によって態度が変わるキャラだけど、特に美保は助けたり約束しなかった場合、教えてもらえる事が減る上に、選択肢自体が出現しないという差が出てきます。まぁ、この期に及んで素っ気無い態度をとられているのはバッドエンド行きだから、ここでは普通に進めた場合を主体にします。

ちなみにここで御子柴と会ってるか否かで、ハッピーエンド時の状況が少し変わります。

　

美保に質問

梨恵、日野については、同じナースセンターに移動するのでどちらを先に選んでも同時に選択したことになります。で、梨恵の所在と日野章介についてを美保に質問。

梨恵は院長室に用があると３０分前に出て行ったきり、戻ってきてない模様。日野章介については、突然いなくなって以来音沙汰ナシだということと、彼が院長を殺害する可能性はないと思う…と教えてくれます。

桃子と話した後にナースセンターへ行った場合のみ、ここで美保にゴミ集積場の場所（捨てられた日記や手紙を探すため）を聞く事ができます。

　

西条と千里に会う

西条がナースセンターで千里を相手に聞き込み中。ボンボン主任が千里を連れて別の場所に行ってしまうと、ほっとしたような顔の美保が「ああいうキザっぽいのは嫌いだ」などと言いながら外に出てきます。ここでも彼女は赤くなりながら「同じ探偵でもあんたの方がずっといい」とかなんとかモゴモゴと。

　

桃子と加奈に会う

加奈には再度廊下で待ってもらって桃子に質問。「王子様について」「日記帳について」「手紙について」「カレンダーの×印について」が質問項目。

その王子様には会ったことはないが、優しい人で、困っているとすぐに助けてくれる…というのが桃子の言。何を助けてくれたのかは黙秘。日記を書き始めたのは千里に薦められたからで、王子様が日記を廃棄するよう手紙に書いてきたので、捨ててしまったとの事。王子様からの手紙には、桃子が困っているときどうすればいいかが書かれており、寝ている間に手紙を枕元に置いていってくれるらしいです。そうなると…身近な人物以外に有り得ない…ってことになるけどねぇ。そして最後に手紙が来たのが４日程前で…琢磨呂が入院したのと同時期。×印の事はやはり言いたくないようで、黙秘。

相次ぐ少女趣味攻撃に耐えつつ質問を終え、逃げるよーに桃子の病室から退避。廊下で待っていた加奈に訊くと、桃子は以前から夢見がちな少女だったようで、リアリスト（でないと探偵なんて務まらんだろうが）な琢磨呂には理解不可能な世界。加奈に桃子と同じ質問をして、何か知っているか訊ねてみますが、加奈は何も知らないらしく、日記も見た事がないと言うから…日記をどこに隠していたのか…という新たな疑問が。

　

亜希子と話す

梨恵の事を訊いてみると、亜希子は自分で口を開くつもりがないらしく、栄作を促して、梨恵は既にナースセンターに戻っているはずだと主張。おまけに約束の期日前だというのに「鍵を返してくださる？」とか言い出して、一応期日前だということで鍵は返さずに退出するけど、何らかの事態が琢磨呂の知らないところで動いているような印象。彼らにとってはコトはかたずいた…とでも言うような。

　

加奈に会う

ゴミ集積場の場所を確認しようと行ってみると、痴漢オヤジに抱きつかれた加奈が…相手を半殺しにしている真っ最中。怪我人なので手を貸すことは出来ず、見物に徹して傍観。まぁ、助ける必要なんか全くないけど。

　

梨恵（智恵）が来る

病室へ白い顔をした梨恵が幽霊のようにやって来て…

「いないんです…姉が」

ここで彼女たちが双子である事など、涼子に話を聞くパターンと同様に謎が解決。

こっちのルートに来てしまった場合は、梨恵が持ってる筈の鍵を亜希子が持っていたのだから、昨夜資料室に忍び込んだ梨恵は捕まった…ということになります。

梨恵のものと思われるナースシューズが落ちていた休憩室の状況を思い出して…何かを引き摺ったような跡がベッドの下の床にまで付いていたことから

「ここは戦時中、地下で治療を行っていた」

つまり、地下室があるのでは…と閃き。ここでは盗聴器を発見していてもいなくても、自分たちの行動を亜希子に教えて（なにもわざわざ…と思いたいトコだけど）休憩室に向かうことになります。病室にいた譲治に一緒に来るよう促して、「話があるんだけど…」とやってきた涼子に構わず、休憩室へダッシュ。

　

休憩室で地下を発見

休憩室で譲治にベッドを動かしてもらい…一見、重そうなベッドは、苦もなく動かせるようになっており、ベッドの下の隠し扉を開けると地下への階段が。そして地下からは強烈な腐敗臭。

　

譲治に警察に通報させる / 待たせる / 一緒に地下に入る

譲治くんは「なんかわくわくするなぁ」などと呑気なことをのたまわってますが、ここの選択次第でアンタの運命も決まってしまうんだけどねぇ。ついでに梨恵と智恵もだけど。…ああ、そーいえば自分もか…。まぁ、あの世行きの選択の余地しかない場合もあるけど。

「警察に通報させる」は、盗聴器を発見している場合のみ選択可能。発見していない場合は…ここにいる全員、今日から仲良く行方不明です。でも、ついさっきまでいた複数の人間が同じ病院内で消えてしまったら、やはり不審に思われるだろうから、事件が明るみに出る可能性もあるけど…死んだ後の事までは関知できないし〜。

　

亜希子と栄作が現れる

地下の病院の朽ちて抜けそうな廊下を進むと、ある部屋で腐敗臭の主が椅子に座っているのを発見。白衣（なんか既に変色してるけど）を着た腐乱死体の正体はもちろん…半年前に行方不明になった日野章介。盗聴器を発見していない場合は主人公が日野章介を知らない事になるので、智恵がその死体が誰かを教えてくれます。さらに奥に進むと縛られた梨恵を発見。

譲治と一緒に地下へ入る以外を選択した場合、梨恵を発見すると、亜希子とボウガンを構えた栄作が登場。

　

エンディング�ｂT

地下の病院に現れた亜希子と栄作。もちろん盗聴器でこちらの会話を聞いて始末しようとやってきた訳だけど、ここではわざと盗聴器で会話をきかせて、さらに自分たちが３０分経っても戻らなかったら警察に通報するようにと譲治に指示した場合のエンディング。

何故わざわざ琢磨呂がここに亜希子達を誘きだしたかというと、彼女が言い訳できない状況で真実を知るために話がしたかった…となります。院長を殺そうとしたのは事実でも、実際には殺したのが亜希子達ではない以上、真実を知ることは永久に不可能だけど。

しかしここで自分たちを殺しても、既に警察へ連絡する手筈になっている事を告げると…躊躇を見せる栄作に「殺してしまいなさい」と彼からボウガンを奪い取って、琢磨呂たちに向けようとする亜希子。

風を切る音と…

「奥様が一人寂しく牢屋の中にいるなんて…私には耐えられません。…あの世で、またお仕え致します」

栄作は、奥様には誰も触れさせない、ここから出て行けと、自身の身体に火を放って焼死。ああ、やはり彼にとって亜希子は女神だったんだなぁ…とか、ちょっと感傷的にもなってしまいますが。まぁ亜希子にしろ栄作にしろ、犯罪者なのは確かだから、裁きを受ける番がきただけ…なのかも知れませんが。

幸い地下だけを焼失して、琢磨呂たちは無事に脱出。そして……

今は封鎖された野々村病院を「夢でも見ていたようだ…」と、見上げる探偵が一人。院長は自殺と判断され、院長夫人と栄作は焼死体で発見。梨恵や美保、千里は別の病院で元気に働いていて、怪我が完治した譲治は多分、いつもの退屈な生活に。涼子は西条探偵事務所を辞めて、今はどこでどうしているのかも不明。

ポケットから取り出した…亜希子に預かったあの鍵束をその場に残し、同様に真実を知り得なかった一抹の悔恨を残しながらも…病院を後にする琢磨呂。御子柴の弱みをここでは握っているので、住み慣れた事務所に帰り、探偵稼業を続けることになるのでしょう。

一応バッドエンドなんだけど、個人的には好きなエンディング…かな。全ての真実を知ることは出来ず、謎は残ったままだけど、とりあえず元凶である野々村夫妻が死んだ事で丸く収まっているとゆーか、世の中には知らなくてもいい事っていうのも、たまにはあるんじゃないかな…とか。

梨恵のヒントコーナーでは「ちょっと悲しい結末でしたけど、落ち込まないで下さいね…あなたは人生をやり直す事ができる、天才的な探偵さんなんですから。」 まぁ、天才だからやり直せるわけじゃなかろうが、まずは昨夜資料室で梨恵と会ってない事が原因。これはここでのバッドエンドすべてに共通。あと、ハッピーエンド以外のエンディングを探しているなら、キーワードは「手術用のメス」と「最後の選択肢」だと教えてくれます。

これは譲治の行動選択と、メスを入手している＝盗聴器を発見している事と、院長の死に亜希子や梨恵がどう関ったかを推理できる…というあたりの変化になると思われます。

　

エンディング�ｂTＡ

譲治を休憩室で待たせた場合、梨恵を発見し助けようとすると、天井の上から騒がしい音が。そして譲治くんの叫び声。…ごめんねぇ、置き去りにして。まぁ一緒に来たところで、こっちにしても今から行くところは同じだから勘弁してちょーだい。ここでは亜希子達が中で待ち伏せしてると思っていた…という主人公の判断ミスという事になって、頭を殴られ昏倒させられた後…以下エンディング�ｂR＋α 。＋α は亜希子サマが冥途の土産に、琢磨呂にちょっとばかりサービスしてくれるというもの。

「もっと苦しませて殺した方が…」などとよけーなコトを言う栄作に「この方には醜く歪んだ顔が似合わないわ」と、亜希子なりのせめてもの好意を示してくれますが…あんまり嬉しくない…。

　

エンディング�ｂTＢ

多分いちばんイヤな死に方。苦しむ時間が相当に長そうだし。譲治に一緒に来るように言うと、彼は「なんか面白そうだし」などと快諾。…まぁ…コトここに至れば、一緒に来るか待ってるかの選択しかないんで、もはやどうしようもないが。日野章介の腐乱死体を見つけるものの、ここでの主人公には誰だか判らないし、智恵は知っているけど何故こんなところに日野の死体があるのかは不明。奥の部屋で梨恵を見つけると……何の音か考えたくもない、超心臓に悪い「ばたんっ !!」って音が頭上から…。

青くなって「ど…どうするんだよ」という譲治に、さすがに修羅場を潜り抜けている天才的な探偵の琢磨呂は、冷静に「ふん、誰かが助けてくれるまで待つしかないだろう」

そしてこの場所を知っているのは、「まずは私と譲治…そして奥にいる双子の看護婦だ」と落ち着き払って返答。閉じ込めた亜希子と栄作以外には…ってことになりますが。そして「あとは私以上の探偵が院長の死について調べて…この場所にいる我々を見つけ出してくれるのを待つだけだ」

……いつまで待てばいいのか、気が遠くなるんだけど。で、

「これがゲームであればいいのに…などと意味不明の言葉を頭の中でつぶやくと、そのままゆっくり目を閉じた…」

…って嫌すぎー。餓死して白骨死体化。涼子が発見してくれる事を期待したいけどねぇ…。そういえば初めて涼子と会って骨折したときに「そこで、白骨死体にでもなってちょうだい」とか言って置いて行かれて「地球の未来を救うかもしれない貴重な人物が白骨死体になろうとしているぞ、誰か助けろ !!」なんてセリフがあったけど……さすがに今回は切実。