病室

深夜。愛用の懐中時計に目をやると午前０時３０分。余談だけど、時計はやはり腕時計より懐中時計がシブいよねぇ。自分の持ってるお気に入りの時計は、飾り気のないシンプルな銀の懐中時計。屈んだりするとよく落とすから持ち歩く事は少ないけど。

約束の時間は１時なので少し間があります。この３０分を無駄なく過ごすために思案。時間を守るために早めに約束の場所に行くか、ロビーでコーヒーでも飲んでくるか。かなり何気ない選択なんだけど、実は超重要な選択事項。ここでやられた人は多いんじゃないかと思われます。

　

約束の時間を守る為、急ぐ

千里との約束ではナースセンターへ、美保との場合は２０８号室へ早めに行く事にします。一見すると約束の時間に早めに行くのは良さげに思えるけど……棺桶に片足突っ込んだも同様（一応は助かるパターンもあるけど）なので、命を大事にしたいなら急がば回れ…ですかねぇ。

　

コーヒーを飲みにロビーへ行く

ロビーの自動販売機前にてコーヒーで一服してると、深夜だというのに正面玄関の扉が開き、入ってきた一人の看護婦…梨恵が「関係者以外立入禁止」のドアの前へ。彼女の手には見覚えのある鍵の束。梨恵は今日の夜勤ではない筈なので、非番にも拘わらずこんな夜中にわざわざ病院へやって来たことになります。まぁ、鍵の束を見た瞬間に、彼女に先日呼び出された理由や目的も解ってしまうけど。

　

資料室で梨恵に会う

どこに入ったと思うかの選択が一応ありますが（別に間違えても何も起こらないけど）、資料室以外にないでしょう。理由はもちろん…

・君は山羊の生まれ変わりで、実は紙が大好物？（冗談を笑う余裕など彼女にはありません）
・君は両親が死んだ時のカルテを捜していた？（正解…つーか他にないでしょ）
・君はカルテを盗み出し誰かに売ろうとしていた？（そして売ろうとした相手は御子柴という男だ…と、意味もなく決定。彼女は御子柴さんなど知りません）

５年前にこの病院で死亡した両親の事を調べるため。彼女の両親の死の真実と今回の事件は直接の関係はないけど、空き巣？の現場を抑えて問い詰めると、バージン・スリムの箱やメモが梨恵のものである事は認めたものの、誰に鍵を持ち出させたかだけは黙秘。例の３月２１日の夜１０時５０分に屋上…というメモは「院長夫人に話があると屋上に呼び出された」ための覚書きだった事が分かります。

ちょっと待て。…って感じの新事実。しかも亜希子は屋上に来なかったとの事。これまでに聞いた話をちゃんと覚えていれば、釈然としないこと極まりない展開。しかしここで時間を喰ってしまい、うっかり約束の１時を経過。

　

亜希子に会う

とりあえず今日のところは梨恵に鍵を返してもらい、帰らせる事にします…が、廊下に突然姿を現したのは亜希子。「こんな時間に何をしてらっしゃるの？」と驚いた様子もなし。聞き込みをしていたとごまかしておきますが、亜希子の方は、知ってて空々しい事を言ってる雰囲気がアリアリで…マジで恐いっ。

　

ナースセンターで千里と話す

千里の話は院長が麻薬を常用していた事について。彼女が麻薬の件を知ったのは、薬の在庫が合わないと院長に報告したら、誰にも言うなと言われた事と、この病院の悪い噂をいろいろ聞いているから…だそうですが…どちらかと言えば知っていた訳ではなく、想定していたと言うべきか。しかしこれは既に検死の結果としても判明しているので、今更の内容。思いっ切り落胆した上に、理不尽にもかなーり不機嫌になる琢磨呂。

まぁ、時間を無駄にしたからってそう怒っちゃいけないと思うけど。いずれはロクな事にならないとしても、ここで千里と話しているから、とりあえずこの場は生き延びる事が出来るんだし。

　

２０８号室で美保と話す / メスを入手

美保の話は手っ取り早く言えば、院長夫人をどうにかしてくれ、というもの。チャート８で美保ルートを通ってない場合は「昨日の夜、ひどい目に遭ったんだ」と、呼び出された事や、院長や日野章介についての同内容の話が聞けます。まぁここでは例の写真とかのＣＧは見れないけど。

これまででも出てきてる符号のひとつは「半年前」でしょうかね。院長に保険がかけられたり、日野章介が病院を辞めた（実際には行方不明だけど）時期。つまり院長の悪癖を亜希子に教えたのは日野章介で、それが半年前。そして美保の話では、その頃から看護婦の周りでおかしな事が起こり始めた…ということ。これは例の千里が財布を盗んだっていう事件も含まれるんだろうけど。そうなると…この辺りの背景は朧げに判ってきた気もするが…。

加えて美保は、３月２１日の夜１１時頃に休憩室のある通路から、亜希子と血相を変えた栄作が出てきたのを目撃したと教えてくれます。その時、慌てていた栄作が落としたのがガーゼに包まれた手術用のメスで、様子がおかしいと感じた美保が拾って保管。彼女は直にメスには触らなかったらしいので、何者かの指紋がうっすらと付着したメスを手掛りの品としてゲット。

犯罪に関与していると思われる亜希子の不審な点を調査して欲しい…ってのが、美保の話の要点になるけど、依頼できる程の金は持ってないから…と、明朗会計・現物支給で払うつもりのようです。美保は亜希子と並んで露出度が高いキャラだけど、この病院の女性はゲーム中ではまだ春先だとゆーのに、やたらと脱ぎたがる（家庭用ゲーム機の限度があるので、かなり控えめだが）人が多くて困りモノ。

この後の選択はどちらを選んでも、実際そんな事してる場合ではないので、前金にキスひとつ貰っとくだけ。

　

桃子のカレンダーについて質問

これまで桃子の部屋に行った事がある…当然これはチャート１０で桃子の部屋に行って美保と約束した場合になりますが、カレンダーの×印について何か知っているかを質問。残念ながら彼女は何も知らないようです。

　

病室に戻る

美保と約束した場合は、チャート８の時と同様にベッドを調べて盗聴器を発見。ここでは盗聴器前での演技の選択はないので、安心して眠りましょう。でも美保から預かったメスをポケットに入れたまま寝るのは、ちょっとどうかと思うが…。あんまり安心して眠れる気がしないっつーか…。

　

エンディング�ｂS

初回プレイ時の、嬉しくもない記念すべき自己最多エンディング＆初エンディング。プレイ中のシナリオの区切りで、眠って朝に目覚める…という場面がくる度に、そりゃもうビクビクしてたもんです。「ま…またぁ〜？」などという独り言をつい口に出してしまう程度には見たよなぁ。セーブポイントを終えて深夜の０時３０分になるとこまでは同じ。…で、用事がないもんだから「明日も充実した日とする為に眠る事にした」などと呑気なコト考えつつ、二度と覚めない永遠の眠りにつくことになります。

突然の胸苦しさと激痛に声を出すことも出来ない琢磨呂の傍らに、何者かが立っています。そして、その手には注射器が。多分これもシアン化水素…なんでしょーねぇ。いくら舞台が病院だからって、どいつもこいつも注射器だのメスだのっていうマニアックな凶器ばっか使いたがらなくたっていいだろうに。そして女の声で

「あの人が…こうしろって言うの。こうすれば…あの人が私に会いに来てくれるの…。でも……あなたの事、ちょっと好きだった」

唇に柔らかいものが触れた後、微かな足音とドアの閉まる音を残して、ナゾの暗殺者は立ち去ります。「ふん、私の運もこれまでか…」と、ヤケに潔く死を迎える主人公。このセリフを聞くと、亜希子の「人間なんて、運で生きている部分もありますのよ…」というのが妙に感慨深く思い出されたりしますが。

ヒントコーナーでは加奈が「いきなりわけもわからず、殺されてしまったと思ってるあなた…本当はちゃんと理由があるんだからね」と、原因を説明してくれますが「女の子に優しくしなかった」ってのが最大の理由で、あと「これは滅多にないと思うけど、私の友達が誰か知ってる？」というもの。

ええ、知りませんでしたともっ。だから自分の場合はホントに「いきなりわけもわからず、（何度も）殺されてしまった」ことになるんだっつーの。だいたい「あの人が…こうしろって言うの」などという主体性皆無な理由で殺されちゃ、ミもフタも…。直接的には「美保か千里との約束がない」と辿り着いてしまうエンディングなので、桃子の部屋に行ってなくても、加奈や美保を助けていれば約束イベントが強制的に発生するから、確かに「女の子に優しく」で通過は可能。