「…マクシミリアン神父…確かそんなお名前でしたかしら?」
「これはこれは! そういう貴女こそ確か…シンディ・デ・ラ・ポーアさん…と『名乗って』おいででしたか?
…どうかなさいましたかな?」
「お悔やみを申し上げようと思いましてね。貴方の目論見がなんにせよ、今回は失敗でしてよ?」
「たまたまこの一手は、というだけですがね。この ”世界” という小さなチェス盤の上には、まだまだたくさんの駒があるのです」
「罪なゲームですこと。仮にも神に仕える神父さんじゃなくて?」
「『神々』です。そして私は…偉大なる指導者たちの使者でもありながら、なにより自分自身に仕える身なのです。
格好こそ司祭服ではありますが…ブドウ酒飲みとパン喰いの会なぞに用はない」
「それが ”大いなる使者” という事ですの?」
「まぁ、そういう事ですか。”大いなる者” たる『貴女方』には及びませんがね」
「貴方は冬川正史を操ったかもしれませんが、私は彼らを操ったりはしていない。
彼らは自分の意思でここに現れ、そして自分の意思で戦った。
貴方は私に及ばなかったのではなく、彼ら…人間に及ばなかったのですわ」
「ハッ!面白い! 私こそ、別にあの ─ 冬川正史でもあり、ハーバート・ウエストでもあった男 ─
彼を操ったワケではないのですよ? 私は彼がやりたがっていたことに、影からそっと手を差し伸べただけのこと。
それは…貴女もしたことでしょう?」
「確かに…。だからこそ時々思いますわ。我々は…その存在自体が罪なのだと」
「これはこれは! かつて『我々』を破りさった方のお言葉とはとても! 思えませんな!
クックックッ、『神』も年をとると弱気になられると見える ─ 。─ ならば ─ 私に懺悔なさるがよろしい!
ネクロノミコンを上梓した狂気のアラブ人 ─ アブドゥル・アルハザードをも貪った ”100万の愛でられし者の父” に!
そして贖罪するがいい! いずれあなた方は、この ”這い寄る混沌” のチェステクニックに下り、虫けらどもと共に!
─ 『我々の』足元に平伏すのだ !! 」
「貴方にとってのウエスト ─ 冬川正史という人物はポーン?ナイト?それともクィーンだったのかしら?」
「はっ!少なくとも男で ”クィーン” はありえません。せいぜいがビショップ…死と再生を手にした僧侶といったところですかな?
まぁたしかに、それがポーン風情に敗れ去ったのは、少々意外でしたが?
…とにかく、今回はもう失礼しましょう。それではまた逢う日まで、ごきげんよう。
”今ではその力を失った、穏健なる神のひとり” よ」
「ポーンだって…最後には最強の駒(クィーン)になれるのよ、おバカさん…」
「これはこれは! そういう貴女こそ確か…シンディ・デ・ラ・ポーアさん…と『名乗って』おいででしたか?
…どうかなさいましたかな?」
「お悔やみを申し上げようと思いましてね。貴方の目論見がなんにせよ、今回は失敗でしてよ?」
「たまたまこの一手は、というだけですがね。この ”世界” という小さなチェス盤の上には、まだまだたくさんの駒があるのです」
「罪なゲームですこと。仮にも神に仕える神父さんじゃなくて?」
「『神々』です。そして私は…偉大なる指導者たちの使者でもありながら、なにより自分自身に仕える身なのです。
格好こそ司祭服ではありますが…ブドウ酒飲みとパン喰いの会なぞに用はない」
「それが ”大いなる使者” という事ですの?」
「まぁ、そういう事ですか。”大いなる者” たる『貴女方』には及びませんがね」
「貴方は冬川正史を操ったかもしれませんが、私は彼らを操ったりはしていない。
彼らは自分の意思でここに現れ、そして自分の意思で戦った。
貴方は私に及ばなかったのではなく、彼ら…人間に及ばなかったのですわ」
「ハッ!面白い! 私こそ、別にあの ─ 冬川正史でもあり、ハーバート・ウエストでもあった男 ─
彼を操ったワケではないのですよ? 私は彼がやりたがっていたことに、影からそっと手を差し伸べただけのこと。
それは…貴女もしたことでしょう?」
「確かに…。だからこそ時々思いますわ。我々は…その存在自体が罪なのだと」
「これはこれは! かつて『我々』を破りさった方のお言葉とはとても! 思えませんな!
クックックッ、『神』も年をとると弱気になられると見える ─ 。─ ならば ─ 私に懺悔なさるがよろしい!
ネクロノミコンを上梓した狂気のアラブ人 ─ アブドゥル・アルハザードをも貪った ”100万の愛でられし者の父” に!
そして贖罪するがいい! いずれあなた方は、この ”這い寄る混沌” のチェステクニックに下り、虫けらどもと共に!
─ 『我々の』足元に平伏すのだ !! 」
「貴方にとってのウエスト ─ 冬川正史という人物はポーン?ナイト?それともクィーンだったのかしら?」
「はっ!少なくとも男で ”クィーン” はありえません。せいぜいがビショップ…死と再生を手にした僧侶といったところですかな?
まぁたしかに、それがポーン風情に敗れ去ったのは、少々意外でしたが?
…とにかく、今回はもう失礼しましょう。それではまた逢う日まで、ごきげんよう。
”今ではその力を失った、穏健なる神のひとり” よ」
「ポーンだって…最後には最強の駒(クィーン)になれるのよ、おバカさん…」